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              タイトル     【平成27年7月号】

“腸”能力を高めよう

突然ですが、皆さんヨーグルトはお好きですか?ヨーグルトといえば、腸内環境を整えてくれるというイメージがありますが、
実は腸には様々な能力が秘められています。そこで今回は『“腸”能力』に関するお話です。

腸能力①~腸の働き~

人間の腸は大腸と小腸に分けられます。小腸は、食べ物を消化吸収する働きがあり、大腸は消化吸収された後の不要物を便として
排泄する働きがあります。また腸には、口から侵入してきた病原細菌から身を守る働きがあり、その仕組みを「腸管免疫」と呼びます。
腸の粘膜には、全身の約60%のリンパ球が集まっており、小腸では、全身の免疫抗体の約60%が作られています。
さらに「腸管免疫」では、食品など身体の維持に必要な成分に過敏な免疫反応(食品アレルギー)を起こさないようにする仕組み
「経口免疫寛容」の働きがあります。最近では、腸内環境とアレルギー発症との関係性についても注目されています。

◆腸能力②~腸内細菌~

腸内、特に大腸にはおよそ100兆個、一人あたり数百種類の細菌が生息しています。腸内細菌は大別すると三つに分類できます。

●善玉菌:乳酸菌やビフィズス菌等

消化吸収を高める、腸のぜん動運動を活発化させ排便を促す、免疫力を高めて感染や病気を防ぐなどの働きがあります。
また、コレステロールや中性脂肪の代謝を促進したり、ビタミンやホルモンを生産する働きもあり、身体の健康を維持する
重要な役割を果たしています。

●悪玉菌:大腸菌やウェルシュ菌等

腸内をアルカリ性に傾け腐敗産物や有害な物質を作り出す、身体の抵抗力を弱める、下痢や便秘・生活習慣病などを招く、
肌荒れや老化を促進するなどの有害な作用があります。

●日和見菌

どちらにも属さない菌で、中間菌とも呼びます。悪玉菌が増えると、日和見菌は悪玉菌として傾いてしまいます。

腸内環境のベストバランスとしては、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%と言われています。
ご自分の腸内細菌が健康的な状態かを確認する簡単な方法としては、便を観察することです。
便の色は黄色~黄色がかった褐色で、においがあっても臭くなく、柔らかいバナナ状が理想です。
逆に黒っぽい色でにおいがきつい場合は腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。

◆腸内環境を悪化させる原因

●動物性たんぱく質や脂肪分の摂り過ぎ

肉類、乳製品などの動物性たんぱく質や脂肪は悪玉菌の栄養源となり、悪玉菌を増殖してしまいます。

●体内リズムの乱れ

 朝食抜きや夜更かしなどの生活リズムの乱れは、消化・吸収・排泄などの腸のリズムも乱れてしまいます。

●ストレス

 心身の疲れや心配事、緊張などがあると、腸の動きが悪くなり腸の血流が乱れ、腸内細菌のバランスが崩れやすくなります。

●運動不足

 あまり歩かない生活を送っていると、腸のぜん動運動が鈍くなり、腸の機能が低下してしまいます。

●冷え

 お腹を冷やすことで、腸のぜん動運動を抑制するため、便秘や下痢などのトラブルを起こしやすくなります。

◆腸能力を高めるために

まずは、先程挙げた腸内環境を悪化させる原因となっている生活習慣を見直し、改善していきましょう。
また、一日三食規則正しくバランスよく摂り、適度に身体を動かし、睡眠もしっかりとるようにしましょう。
また、以下の事も是非心がけてみてください。

●食物繊維を摂る

 食物繊維には、腸のぜん動運動を活発にする、便を軟らかくして排便をスムーズにする働きがあります。
食物繊維は、野菜や豆類、海藻類、きのこ類に多く含まれています。

●乳酸菌、乳糖、オリゴ糖を摂る

 乳酸菌には悪玉菌を退治する働きがあり、乳糖やオリゴ糖は善玉菌のエサとなります。
ヨーグルトのほか、ゴボウや味噌、しょうゆ、漬物、ハチミツなどにも含まれています。
みそ汁一杯や漬物二切れ程度で一日に必要な乳酸菌が摂取できるそうです。

●お酒の飲み過ぎには注意!

 多量の飲酒は下痢を引き起こし、腸壁を傷つけたり、悪玉菌を増やすことになります。

●朝起きてコップ一杯のお水を!

起床してからの水分補給は、胃が刺激され、腸が動き出します。
その後朝食を食べることで、スムーズな排便につながりやすくなります。

◆最後に

腸には、食べ物を消化・吸収する働きだけでなく、感染症などの病気の予防や、生活習慣病予防、老化や肌荒れ防止と、
健康を維持していくためのたくさんの能力があります。
これから『“腸”能力』を高めていくために、生活習慣を見直しながら、『腸を超大切に!』していきましょう。
暑くなるとついつい冷たいものを飲みすぎてお腹を壊したりしがちなので気を付けてください。

 以上


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