【平成27年3月号】 |
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疲れたときには要注意!! |
春の陽気を日増しに感じるようになってきましたが、今回は、疲れた時に注意が必要な「帯状ほうしん」に関するお話です。 |
◆帯状ほうしんについて
帯状ほうしんは、多くの人が子どものときにかかる水ぼうそうのウイルス(水とう・帯状ほうしんウイルス)によって起こる病気です。このウイルスは、水ぼうそうが治った後も身体の神経節と呼ばれる部分に潜んでいて、免疫力が低下したときに活動を再開し、帯状ほうしんを引き起こします。以前は高齢者に多い病気でしたが、最近では若い年代にも増えているといわれています。
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◆症状と経過
帯状ほうしんになると、神経の流れに沿った帯状の赤いはん点や水ぶくれといった皮膚の症状とともに痛みが起こります。
【経過】
①皮膚にチクチクするような痛みやかゆみなどが現れます。帯状ほうしんは胸やお腹、背中に起こるとことが
多いですが、顔や手足など全身いずれの場所でも発症します。
②痛みを感じた場所にブツブツとした赤いはん点ができ、水ぶくれとなって帯状に広がります。
③水ぶくれが“かさぶた”となり、皮膚の症状はおさまります。ほとんどの場合、皮膚の症状が消えるとともに
痛みも無くなります。
以上のような症状は身体の左右どちらか片側だけに起こり、一度に二ヶ所以上の場所に現れることはほとんどありません。
痛みが起こり始めてから“かさぶた”が治るまでは約三週間から一ヶ月程度かかります。
また、炎症が強く神経が傷ついた場合は、皮膚の症状が消えても痛みが消えずに、痛みが慢性的に続く帯状ほうしん後神経痛に移行することがあります。 |
◆原因と予防
帯状ほうしんは、身体の免疫力が低下することで起こります。免疫力が低下する原因には、過労や大きなストレス、ケガ、病気などがあります。無理をしないで栄養と睡眠を十分とり、規則正しい生活を心がけて免疫力の低下を防ぐことが大切です。
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◆治療
ウイルスの増殖を抑制する「抗ウイルス薬」と、痛みを和らげる「消炎鎮痛薬」が代表的な治療方法です。
尚、帯状ほうしんの痛みは、冷やすとかえって強くなるため、なるべく温めるようにします。
早期に治療を行うことは症状の悪化を防ぎ、皮膚や神経のダメージを軽くすることに繋がります。
「帯状ほうしんかも?」と思ったら、できるだけ早く皮膚科を受診して、治療を始めるようにしましょう。
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◆帯状ほうしんってうつるの?
帯状ほうしんは、自分の体内に潜んでいたウイルスが再び暴れだすことによって起こる病気であるため、他の人にうつることはありません。しかし、水ぶくれの中にはウイルスがいるため、水ぼうそうにかかったことのない人はウイルスに感染して、水ぼうそうを発症する可能性があります。“かさぶた”に変わるまでは感染する可能性があるため、それまでは水ぼうそうにかかったことのない人との接触は避けるようにしましょう。また、患部との接触によってウイルスは感染するため、患部をガーゼでしっかり覆う、患部を触った後の手洗いの徹底などを行い、他の人への感染を予防しましょう。尚、水ぶくれが全身に点々と広がっている場合は、空気感染を起こすようになりますので詳しい感染の予防方法に関しては医師に確認するようにしましょう。
免疫力が低下した状態は、帯状ほうしんの他にも病気や体調不良などを引き起こしてしまうこともあります。忙しい日々の中でもしっかり休息をとり、疲れをためないようにしていきましょう。
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三洋電機連合健康保険組合提供 |