寒い日が続きますが、風邪などひかれていないですか?体調が悪くなっても、病院には行かず市販薬などで対処される方もいらっしゃると思いますが、今回は、「市販薬」に関するお話です。
◆市販薬の種類について
平成二十一年薬事法改正により、「市販薬」が副作用などのリスクに応じ、三つのグループに分類され、それぞれ購入方法が定められました。
〇第一類医薬品(副作用等のリスクが高いもの)
・購入する際、必ず薬剤師が適正使用の為に、書面を用いて説明を行う必要がある。また、OTC(※1)薬として販売される。… 例:H2ブロッカー含有薬、一部の毛髪用剤等
〇第二類医薬品(副作用等のリスクが比較的高いもの)
・購入する際、薬剤師や登録販売者(※2)が適正使用のために、薬の説明をするよう努めなければならない。
… 例:主な風邪薬、解熱鎮痛薬等
〇第三類医薬品(副作用等のリスクか比較的低いもの)
・購入する際の情報提供は不要。… 例:主な整腸薬等
※1:OTCとはOver The Counterの略で、販売側から購入者へカウンター越しに医薬品を手渡すような陳列方法の事。
※2:登録販売者とは、薬に関する都道県知事の行う試験に合格し、登録を受けた専門家の事。
◆スイッチOTC薬について
スイッチOTC薬とは、今まで処方薬として扱われていた薬の成分を市販薬(OTC)に転用したものの総称です。
つまり今まで処方箋がないと購入できなかった成分を含む薬が、薬局などでも買えるようになったということです。
処方薬からスイッチOTC薬への認可が下りる条件として、処方薬の中でも、使用実績があり、比較的副作用も少なく、
安全性の高い成分とされています。
【主なスイッチOTC薬の成分と薬効】
ニコチン…禁煙補助剤、ファモチジン…胃腸薬、イブプロフェン…鎮痛薬、インドメタシン…外用鎮痛薬
スイッチOTC薬は、「第一類医薬品」に分類されるため、購入には薬剤師からの情報提供が必要です。
◆お薬の注意事項について
スイッチOTC薬の登場により、簡単に作用の強い、色々な種類の薬が手に入るようになり、自己選択の幅はどんどん広がっています。
しかし、安易に使用すると思わぬ副作用を引き起こすことがあるため、正しい知識を身につける必要があります。
そのために守る事として、以下に気を付けて下さい。
・薬の説明を必ず聞く、説明文書を読む、持病がある場合はそれも相談する。
・薬を購入する際は、症状等をきちんと伝える。どのような状態がどのくらい続いているのか詳細に伝える。
・薬の用法用量は必ず守る。
・小児や高齢者は用量が違う場合がある為、誰が飲むか伝える。
・自分が飲んでいるお薬を記録しておく。二種類以上の薬を飲む場合、薬の効果を半減させたり、増幅させる飲み合わ せもある為、新しく薬を購入する場合は、現在飲んでいる薬も一緒に専門家へ見てもらいましょう。
・異常を感じたら直ぐ医師や薬剤師へ相談する。薬によっては中断する事で危険なケースもある為、必ず専門家へ相談する。
市販薬といえども、安易な服用・過信は禁物です。効能・適量をしっかり確認して服用することはもちろんですが、症状が改善しない場合は、医師の診察を受けて下さい。
以上
|